ディディエールシカクワガタはシカクワガタ属としては最大の種類で、シカクワガタの中でもブリード個体の流通量が多く入手は易しいです。
他のシカクワガタとは違うフォルムでスラっと伸びた大あごはフタマタクワガタにも似ています。
ディディエールシカクワガタについて
ディディエールシカクワガタの情報は以下のようになります。
和名 | ディディエールシカクワガタ |
学名 | Rhaetulus didieri |
生息地 | マレー半島 |
飼育ギネス | 84.3mm |
野外ギネス | 87.0mm |
飼育個体のギネスは野外個体のギネスには及ばず、幼虫はマットや菌糸で飼育されています。
現地の温度はやや低めで、高地のキャメロンハイランドやゲンティンハイランドの2つの採集地があるようです。
以前はキャメロンハイランドラベルのみが流通していましたが、現在はゲンティハイランドラベルの個体も流通しています。(野外個体はほとんど流通せず、ブリード個体がメインとなっています。)
ブリードに使用する個体の紹介!
今回ブリードに使用する個体は♂58mm、♀×2というトリオでブリードに挑戦していきます。

気性が荒く、ゼリー交換の際にも大アゴを素早く振り回して威嚇してきます。
♂はR4年5月中旬、♀はR4年4月下旬羽化の個体で、ディディエールはスペキオススシカのように休眠がないので後食べて1ヵ月ちょっと経過した8月初旬にペアリングして8月下旬くらいから産卵セットを組んだようです。(同居期間はそれぞれ1週間ずつ)
2♀いるので下記のような産卵セットを2セット組みました。
産卵セット
ケース:コバエシャッター小
マット:産卵一番
産卵木:柔らかめM材1本
温度:23~24度
セットB割り出し① 9/26 失敗・・
セットしてからちょうど一か月経過したので、片方の産卵セットを割り出ししてみました。

表面の転倒防止材とかゼリーを除くと上の画像のように表面からも分かるくらいにバリバリと削ってくれています!!
表面に卵は見えませんが、かなり期待できそうです!!

材の方もバリバリに削っており感触は良かったのですが・・・
産卵された卵が全て腐っていました!!
ペアリングが早かったのか掛かって無さそうだったので、再度ペアリング(10日くらい)して産卵セットに投入しました。
卵自体は全て腐っていて正確な数は数えていませんが、産卵箇所は材のみで20~30個くらいはありました。 シカクワガタは癖があると良く聞きますが個体によっては素直に産卵してくれるのかもしれません。
10/11時点で割り出していない方の産卵セットの側面には幼虫も確認できています。

こちらの産卵セットにはマットに複数産卵しているのを前から確認できていたのですが、無事に孵化してくれて一安心です。 ♀に食べられたり潰される前に割り出ししたいです。
セットA割り出し① 10/15
側面に幼虫を確認できていたセットAの割り出しを実施しました。
側面には卵が1つが確認されており、側面の卵が孵化しているのも確認しているので無精卵という事がないので安心して割り出せます!!

先日割り出したセットBと比べると表面のやや控えめな感じですが、セットから1ヵ月半経過しているので早い個体はそろそろ孵化していると思います。
まずは側面に見えていた卵を1個を回収しましたが、これ以上マットから見つかる事はありませんでした・・・
前に孵化が確認できていた幼虫は食べられたのか潰されたようです・・
2セットしか経験していませんがマットにも生みますが、材産み傾向が強い種類のように感じます。
今回使用した産卵一番ですが、とりあえず困ったらコレという感じのクワガタの産卵に関しては非常に力強い味方になってくれるマットです。
ちゃんとメスを抜いておけば良いのですが、ズボラなので難しいですね!

材はかなり水分多めでしたが、卵が腐る事もなくしっかりと孵化していました。 水分多めだと腐りやすいとは良く言いますが、水分少なめでも腐る卵は腐るので水分が原因で腐る事って意外と少ないような気がしています。
この材は表面を押すとジワッと水分が滲み出るくらい水分が多いです。
全部で幼虫×4匹、卵×9個を自己ブリード分には十分な数を回収する事ができましたが、再セットを行いました。
幼虫は複数のマットと菌糸で色々と試しながら飼育予定です。