ヨツボシヒナカブトはヒナカブトという和名から分かるように小型のカブトムシの仲間で、ヨツボシヒナカブトの他にフンボルトヒナカブト、グランディスヒナカブト、マルガリータヒナカブト等が流通しています。
ヒナカブトの仲間は普通のカブトムシとは違った飼育方法で、癖があるようですが この記事では1♂2♀を入手して初めてのブリードに挑戦する記録です。

ヨツボシヒナカブトについて
ヨツボシヒナカブトは背中にある四つの斑点が名前の由来になっている可愛い小型のカブトムシですが、小さいですが意外とガッチリとした体型をしています。
和名 | ヨツボシヒナカブト |
学名 | Brachysiderus quadorimaculatus |
生息地 | ペルー |
飼育ギネス | -- |
野外ギネス | -- |
休眠期間はあるものの人気の高い種類で、多くのブリード個体が安定して流通しています。
ブリードに使用する個体の紹介!
ヤフーオークションで2022年の10月に2022年9月羽化の1♂2♀トリオを入手しました。 8000円くらいだった気がします。2023年5月時点で更に値下がりして入手しやすい値段になっていますね。
累代はCBF1、産地はペルー ティンゴマリアという所のようです!

3~6か月くらいは休眠するという話でしたが、2023年の年明けくらいに片方の♀から後食し始めて2023年2月頃には全頭舐め始めました。
後食からしばらくは成熟させるが吉という情報が多いので、後食から1ヵ月半待ってからブリードを開始しています。
カブトムシらしく、近づけると簡単に交尾を初めてくれます。
4月上旬から以下の内容にセットを組んでいます。
産卵セット
飼育ケース:コバエシャッター中
マット:月夜野きのこ園黒土マット
その他:表面に霧吹きしたミズゴケ
温度:23度
ヒナカブトと言えば表面にミズゴケを置いておき、そのミズゴケを丸めた中に卵を産卵するという特性があります。 ヨツボシヒナカブトには必要ないという情報もチラホラ見ますが、怖いので大量のミズゴケを置いておきました。
もう片方のセットは最初のセットから2週間後にセットしました。
孵化した幼虫がミズゴケを食べると死んでしまうそうなので卵で採卵するのが一般的なようです。 とりあえず2週間後に割り出してみます!
卵が弱く孵化率が悪いようなので、1度目の回収である程度の数を確保できれば次はマットのみで組んで孵化後に割り出ししてみようと思います。
2023/4/20 割り出し1回目 Aライン
4月6日にセットしていた産卵セットを割り出してみました。 地上に置いておいたミズゴケの量が明らかに減っていたので結構安心して割り出しができました。

上の画像のようにマットの中にミズゴケを引きずり込み、団子のように丸めたものがいくつも見つかり、この中に卵が隠されています。
ミズゴケの中に卵室をしっかりと作っていますが、割と適当に産んでいたものもありミズゴケの色と同化して結構探すのに時間がかかりました。
ちなみに、ミズゴケの団子以外からは一切見つかりませんでした。

結果としては上記のような感じで合計22個の卵を回収する事ができました。
孵化率は悪いという話を聞きますが、半分くらいは孵化して欲しいです…!
2週間で22個とペースとしては1日に1.5個くらい産卵している計算になります!
マットは同じまま、表面のミズゴケを追加して再度セットしています!
2023年5月2日 割り出し1回目 Bライン
2匹目の♀を用いたセットの割り出しを行い、2週間半の産卵セット期間で28個の卵を回収しました。

この個体は結構ラフな産卵をしており、ミズゴケの塊を作らずに上のように他のカブトムシのようにマットに卵室を作っての産卵も行っていました。(全体の2割くらいをマットに産んでいました。)
Aラインで回収した卵がどんどん孵化してきており、8割以上孵化していますが孵化直後の初令の状態で何匹か落ちてしまっています。(粘土質な黒土マットが合っていないのでしょうか?)
健康的で大きく育っている個体も多いので、最終的には半分以上残る事を祈りたいです!
2023年5月20日 現状報告
Aラインの産卵セットを5月19日に割り出しましたが、セットから1ヵ月も経過していました…
かなり産卵ペースが落ちており、1ヵ月で6幼虫6卵という結果でした。 ♀は力はありますが、体重はかなり軽くなったように感じました。
温度は22度くらいなので、本当は25度くらいまでは上げた方が良いんでしょうね・・・
ただ、エアコンで管理しているので、幼虫飼育のためにも全体を25度まで上げる事はできず・・・という感じです。
本当は植物用のミニ温室でも作って産卵セットをそこに移すべきなんでしょうね…
既に回収した卵は孵化率は良いですが、幼虫で結構落ちているように感じます。(見た目が弱弱しいのでイメージに引っ張られているのかもしれませんが) それでも半分くらいは成長しているようです。
卵の管理方法がマットの上に置くだけの簡単スタイルなのですが、ミズゴケの中に包み込んで産卵しているくらいなので周囲を囲まれて湿度高めが良いのかもしれません。
実は5月初旬頃に最初に孵化した個体3匹を800ccのボトルに入れてみましたが、最初は250ccくらいのプリンカップである程度育ててから投入した方がボトルが無駄にならずに良かったかもしれません。(卵を管理しているプリンカップでそこそこの数が孵化直後に死亡しているのを見ると心配になってしまいます…)
使用マットは完熟マットの予定ですが、一部他のマットも試してみたいと思います。(月夜野きのこ園の飼育レポートに きのこマットでの飼育報告があるので、そこまで神経質な種類ではなさそうです。)
追記:2023年5月21日
一部の個体を卵を回収したプリンカップから完熟マットを入れた個別飼育用のプリンカップに入れ替えました。
卵30個→19幼虫という感じで、孵化からある程度育った個体になる時点で6割くらいになってしまいました。 私の卵の管理方法が良くないのかもしれません。
管理用に使っているのが黒土マットというのも悪かったと思います。 変にカビが生える事が多く、孵化したての幼虫には良くなかったと思います。 また、地上に置くのではなく完全に埋めてしまう方が良い気がしました。